1人の新卒が、入社してから辞めるまでの半年

ある新卒社員が、入社してから辞めるまでの半年の話です。

これから社会人になる人にとっては、不安を煽るような記事になるかもしれません。

新卒社員が早い段階で離職する1つのケースとして、どなたかの参考になれば幸いです。

内定が出た企業に入社した経緯

私が入社したのは、IT企業。従業員数も2,000名を超え非常に知名度のある、いわゆる「大企業」と言える会社でした。

新卒の就職活動において、その会社は腰を入れて受けた会社ではありませんでした。

あ、なんか受かった笑

という風にしか感じず、滑り止めできた〜くらいに考えていました。

内定が出た後に、初めてその企業についてネットで検索。就活生なら見たことがあるであろう、某掲示板のブラック企業就職偏差値ランキングにランクイン。

IT業界を志望している友人には微妙な会社だよと言われる始末。笑
(本来なら、まずは内定者面談や先輩社員への質問したり、会社の評判は検索しておくべきです。)

まあでも、アドバイスをもらった友人の内定先企業と比べると、企業規模とか知名度も悪くないんだけどね。。。と思っていた。とはいえ、興味ないから全然働きたくないという思いは変わらず。

そのため、もう少し就職活動は続けようと思っていた矢先、病気で入院することに。就職活動のストレスのせいか、治療には時間がかかり合計で2ヶ月くらい身動きができませんでした。

これ以上就職活動ができなさそうだったので、内定が出たこのIT企業に入社することを決めました。

内定式、懇親会の感想は「早く帰りたかった」

入院して、夏休みは頭空っぽで遊んで、気付いたら内定式。時間が流れるのは早かった。

内定式、懇親会を通しての感想は「あ、これはダメだすぐ辞めたい笑」でした。

ダメだなと思った理由3つあります。

1.仕方なく入社した人が多かった

ギリギリまで内定が出なくて仕方なくここにという人が多数いました。

この時点で採用している人材の質の低さが伺えます。しかもその話を堂々と人事の人がいる前で話す人も多くて、マジで意味がわかりませんでした。

2.第一印象が最悪な人が多すぎた

思い出すだけで不愉快なので詳しくは書きませんが、例えば「女少な」とかいう同期が沢山いました。

初対面の場合、異性の話題が上がるのは仕方ないと思うのですが、何というか浅いなという感想を持ちました。とはいえ、第二新卒で入った会社の同期には一切こんな人はいなかったので、やっぱり質の悪い会社だったんだと今は思います。

このような人達と自分は同レベルという評価だったということも分かり、「無いわ~」と思っていました。

3.入社理由の多くが「社員の人柄に惹かれたから」

「社員さんの人柄に惹かれた」ことを理由入社したという人が大勢いました。

この理由は正直1つ目の「ここしか内定が出なかった」よりもタチが悪いと感じました。

IT企業に入社してる人達だから、「技術力が〜」とか、そんな素敵なワードが出ることを期待していた私が馬鹿でした。笑

ちょっと考えればわかる。社員さんが入社前の人間に良い顔をするのは当たり前。

バカか!笑

少数でしたが、会社のことを本当に良いと思って入った人や、ここでの経験をもとに次につなげてやると言っている人もいたので、それを糧にしようと考えました。

4.社長の挨拶がやばい

これも詳しくは書けないのですが、新卒に向けての社長からの挨拶がやばかったです。

「君たちにはいい生活をするのは無理だろうけど、まあ頑張ってね」みたいなのを200名くらいいる新卒社員に向けて話していました。今振り返ってみても「ヤバいところに来てしまった。。。」という当時の記憶が思い起こせます。

いま思うと、ここで就職活動を再開して少しでもマシな企業へのもぐりこむ努力をするべきだったでしょう。

しかし、若い人間にそこまでの頭が回るわけもなく。

そして、仕事が始まる。

※教訓:企業の評判を始めとした、情報収集はしっかりと行いましょう。

これは社畜ですか?

入社して3ヶ月間は、営業のイロハを学んだ。嘘です、まあー学べませんでした。

主に営業同行、訪問先企業での会議の日報作成、社内会議のための書類作成などなど業務が大量にありました。書類完成させないと、会議進まないので必然的に締め切りに追われるようになりました。

複数の先輩と外回りをし、週10社以上取引先を訪問。そこで営業としての立ち振る舞いを学ぶ。場数を踏むのは大事だと思います。ただし、会社のサービスに関しての勉強会の機会が無かったため知識もなく、会議の内容はチンプンカンプン。技術者中心の客先の会議に出席することも多く、同席する意味を見出せない場合も多々ありました。

会社としては、いち早く使える人材を育成したいと考えている。それならば、無駄な営業同行をさせないでほしい、研修で会社の情報やサービスについてもっと勉強したかった、と考える毎日。そんなことも言えず、会社のことはサービス残業で勉強するしかありませんでした。

また、一部同行する先輩からかなりのストレスを感じていました。

空いた時間で仕事の仕方や、報告書の書き方等、実務に役立つようなことを一生懸命教えてくださる先輩もいました。

しかし、中には仕事をサボりたいからなのか(本当かどうかはわかりませんが)で喫茶店に連れて行かれ、世間話で1時間潰されることも。そのせいで自動的に私の残業が生まれます。

外回りで定時までのスケジュールが大体詰まっていたので、会社に関しての勉強,日報,会議の資料作成は、定時が終わってから取り掛かるしか方法がない。

そのため、朝6時までには出社し、外回りをした後会社に23時頃まで残って資料作成。みたいな生活をしていました。

ふと22時になって周りを見渡すと、様子がおかしいことに気づきました。

22時過ぎなのに人が沢山いる!

私がいた前会社は見込み残業で給料に反映されていたため、残っても意味はありません。

「あれ、なんで働いているんだ???」と疑問に感じる日々が続きました。

ふと、私は仲の良いと思っていた同期に「1年で辞めそうだ〜」と言ったことがありました。

すると「何言ってるのお前?バカなの?」と言われてしまいます。私の同期は、忙しさに追われて思考停止していた人もいたのでしょう。(同期も朝6時出社して終電で帰ってました。)

私は心の余裕がなくなり、だんだんと夜眠れなくなり、寝れたとしても夢でまで仕事をするようなりました。食欲はなくなり、下痢が続き、吐くようにもなりました。そのうち何を食べても味がしなくなったので、食事も摂らなくなり体重は10キロ近く落ちました。笑

私は社畜にはなれなかった

限界はすぐきました。

いつもの朝、準備をして、朝出社する準備が完了。玄関で靴を履いたものの、何故か体が動かない。痛いとこもない。吐き気もない。

でも、立てない!

そして何故か溢れ出す涙。

何だこれ。。。と自分でも訳が分からず困惑。気付いたら出社時間間近。その日は体調が悪いといって休みました。

次の日以降、何とか出社しても、下痢と吐き気がキツくトイレに頻繁に篭るように。

1週間程度その状態が続き、見かねた上司に産業医面談に行くように勧められ、面談をしたところ

「鬱の症状が出てる可能性があるので、1度休職してはどうか」と言われました。

鬱????

一番辛い症状が下痢と吐き気だったので、理解できませんでした。メンタルは大丈夫な気でいました。しかし、産業医の言葉がトドメだったのか、私の中で何かが壊れた感じがしました。その場で方針してしまいました。

産業医面談から2~3日後、症状の改善のない私を見かねた上司の判断によって休職になりました。

鬱になってしまうなんて自分はなんて情けないんだと思い込んでしまい症状はどんどん悪化しました。

冷静に会社とのミスマッチを考えた

2カ月ほど職場から離れると、ストレスも減り余裕が生まれ、冷静に働いていた頃の自分を見直すことができるようになりました。

「最初から入社するの嫌だ嫌だ」と言っていたなと思い出しました。忙しさとで思考が停止していたようです。

なーなーでの入社、合わない同期、クソブラックな労働環境。思い返せば全く自分が考えていた社会人生活ではありませんでした。

それなら、これからどうしようか。

自分のこれからを考え、退職を決断。

働き方、仕事観、企業について、改めて自分の将来のことを考えました。

会社の人に相談しても戻って来いと言われるのがオチだなと思い、昔からの知り合いに相談。

 「若いから、転職はいくらでもできると思う。けれど今と同じ規模の会社に転職で入るのは難しいと思う。あと、新卒1年未満で退職だから、正直厳しいと思う。でも体が1番なんだから、辞めてからまた色々と考えてもいいんじゃないのかな。」

と、言ってくれる友人や先輩もいました。

 入社して半年くらいの時に退職。

体壊れかけだし、辞めちゃえ〜。くらいのノリで退職しました。

とはいえ、自分がその会社で働き続けると仮定した時、自分の望む「良い未来」がイメージできませんでした。

年次上がっても就業時間変わらないし、上司の働き方見ても無理して働いているようにしか見えない。この会社のためには自分の人生を浪費したくないと考えました。

退職願は郵送。私が苦しんでいた状況を産業医を通して会社側が把握していたことと、治療の状況を逐一会社に報告していたため、あっさりと退職願いは受理されました。

最後に:私は『ゆとり』かもしれません。でも。

以上、新卒で入社しておよそ半年で退職した、とある人間の話でした。

はたから見たら私は『ゆとり』かもしれません。

たった半年の社会人生活。「努力が足りない!」「やる気がないだけだろ」「将来を楽観視しすぎなんじゃないの?」といった批判をされても仕方ありません。全くその通りです。

でも、あれ以上体を酷使していたらどうなっていたかわからないので、結果オーライです。今日まで生きてこれてますし、第二新卒での就職も、転職も余裕でした。

 私より過酷な状況で仕事を元気に続けていらっしゃる方もいるので、その方々と比較したら、私はダメ人間だと思う時もありました。

ですが、私にはその会社で頑張る生き方は無理そうだから辞めただけのことです。

後悔はありません。相談した人や、会社の所為にもしていません。

新卒社員が早い段階で離職する1つのケースとして、どなたかの参考になれば幸いです。

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