転職をするときに1つハードルになるかもしれないのが「勤続年数」です。
巷でよく聞く「とりあえず3年」ってやつですね。でも、ブラックな働き方や人間関係を含めて「3年も待てない」という状況も方もいると思います。
勤続年数は会社に勤めていた年数で、転職の回数とともに客観的に評価の対象とされやすい要素です。
転職をする場合には、一般的には転職回数は少なく、1つの会社に長くいた方が良いとされています。これは本当なのでしょうか?
実は、転職回数については、必ずしも転職回数が少ない方が有利とは、今の時代は言えなくなってきています。
本記事では、「勤続年数が短いと不利になるのか?」という点と、「勤続年数が短いことが有利になる場合」について解説いたします。
転職回数が多くても問題なく転職ができるケースも少なからず存在しています。詳細は別記事でご用意しましたので、ご興味があればそちらもご覧ください。
勤続年数が長くても有利にならない場合って?
先に、採用担当者が一番評価することは何か?ということをお伝えします。
勤続年数が長い方が転職する場合、採用担当者が評価することは、「在籍期間の中で獲得したスキルや経験」、「会社に利益をもたらした実績」です。これを念頭に置いてください。
長く1つの会社に勤務している場合、多くの経験をして、1つ1つ業務を積み重ねた証が見えやすいということは実際あります。
例えば10年間勤務していたとすれば、多くの場合は部下を育成したり、チームリーダーを担ったりといった経験を積んでいる可能性が高いですし、その場合はアピールもできるでしょう。たとえ異業種だったとしても、マネジメントの本質は変わりませんからね。
しかし、「ただ会社に10年いただけ」という場合はどうでしょうか?
何の成果も話せない、転職の目的も明確でないとしたら、「この人10年間で何もできなかったんだな~」という判断がくだされる可能性が高いです。継続してるから偉い!という理由で評価されるような時代ではありません。
他には、未経験職に転職を考えている場合、勤続年数の長さは有利に働くのでしょうか?
長く会社に勤めているということは、それだけ年齢を重ねているということですよね?
未経験枠で企業が人を雇う際は、基本20代前半を対象としてポテンシャル採用を狙うのが定石です。
勤続年数が長い人が未経験で新しい仕事に取り組もうと考えたときには、よほどの熱意があって、実際に勉強やスキルアップのために行動をしていることを証明する必要があります。
長い期間同じ会社にいた場合はどのみち経験や実績なども考慮される事項となり、20代の未経験転職のようなポテンシャルだけでの判断をしてもらうことに期待はもてないでしょう。
他には、前の業界の常識や仕事のやり方が染みついているとも思われ、採用担当者からは「新しい知識を吸収できなさそう」と判断される場合もあります。
ぶっちゃけ勤続年数なんてものは、ただ我慢してればどんどん長くなります。どんなに嫌で不満が溜まっていても、そこにぶら下がり続ければ積み重なっていってしまうような評価軸です。これって本当にそんなに評価できるんですかね?長く勤めていたとしても、嫌々働いているような状況なら、間違いなく本人のモチベーションは低く、仕事に本気で取り組んでいるとは判断してもらえません。
以上のように、勤続年数が長すぎると、逆に転職において不利になる可能性があります。
勤続年数が短いことが有利になる場合
次に、勤続年数が短い場合を軸に考えていきましょう。
転職において採用担当者の判断基準として重要なものがあります。「辞めないで、長く活躍してくれる人材を確保する」ことです。これは勤続年数が短いこととは相反する内容ですよね。
まず、勤続年数が短い人は、「今回採用しても、またすぐに嫌になって自社を辞めてしまうのではないか…」と不安に感じさせる可能性があるため、「長く活躍してくれる人材を確保する」という狙いに合致しないですよね。
ただし、勤続年数はあくまで評価の1つのため、これだけで「不採用」になるケースはありえません。
仮に勤続年数以外の評価が同じ応募者が存在している場合は、確かに最後の一押しとして勤続年数が重要になるかもしれませんが、まずありえないでしょう。
「不採用」になる場合、勤続年数が短いことも多少影響を与えているとはいえ、様々な要素を踏まえて検討されるため、「不採用」になるなら原因は恐らくいくつもあり、勤続年数はその中の原因のわずか1つに過ぎません。
そもそも勤続年数が理由で落とされるのであれば、書類選考で落とされます。面接に進めたなら勤続年数の短さは企業にとって、気にするほどではないという姿勢を示したことの証拠でしょう。
また、「辞めないで、長く活躍してくれる人材を確保する」ための戦略として、企業は「若くてやる気のある人を採用する」という方法も取っています。
若いうちに転職をする人には、「向上力がある」「チャレンジ精神がある」「行動力がある」という特徴があり、採用担当者は非常に評価をする可能性が高いです。
若い人材を採用したいと考える採用担当者の評価軸を考えると、そもそも若いのだから勤続年数が長いのは当たり前で、どうでもいいとすら考えている場合もあるということです。
若ければ若いほど勤続年数なんて関係ありません。20代は基本的にポテンシャル採用をしてくれることが多いため、転職先への志望度や転職のための努力を企業にアピールできるかの方がよっぽど大事です。
もし今の会社に不安があったり、将来に希望が見いだせないなら、さっさと転職をしてしまった方が絶対に良いです。
「勤続年数が長い方が就職に有利って聞くし….と言い訳をして転職活動を止めた場合どうなるでしょうか?すぐにポテンシャル採用をしてもらえない年齢になり、また意欲の高い働き方もできないため、ただ会社にぶら下がる中年になるのでは?
乱暴な言い方をすると、勤続年数の長い人を採用するメリットって「すぐに辞めない可能性が高い」しかないんです。
こんな行動力の無い人よりも、リスクも承知の上で短い勤続年数での転職を頑張る人のほうが、よっぽど評価されます。若いうちに長く同じ会社に勤めることはチャンスをつぶすこととイコールです。
勤続年数が短いことを、「私はこれだけの短い期間でも、これだけの成果を残してきました!」と話せると尚良いです。
あとは、第二新卒枠での転職の場合は、そもそも3年も働いていたら間に合いませんしね。(第二新卒の一般的な定義として、学校卒業後の3年以内)
勤続年数が短くてもちゃんと前職で仕事を頑張って、面接でアピールできるような実績があるならばそれで良し。ないなら転職先への意欲や転職のための努力をアピールすれば良し。
転職では思い込みや固定観念を取り払うのが大事
とにかく「勤続年数が短いと不利になる」という思い込みを捨てましょう!
「実績や努力の結果をアピールしてやろう!」と考えたり、「素直さやヤル気で勝負だ!」と考え、アピールできることを前面出していき転職活動をすれば絶対にうまくいきます!
あまりネガティブになりすぎずに、自信を持って新しい会社に勤めるために転職活動を頑張ってください